ロサンゼルスは保証所得プログラム始動の発表をする米国最大の都市

The original English article is here by Pierre Piquemal.

Translated by Yoshihiro Norikane

Edited by Toru Yamamori

2021年6月1日

ピエール・ピクマル氏(Pierre Piquemal)によるニュース特集

 新しい保証所得プログラムが米国で発表されました。今回は、米国で2番目に大きな都市であるロサンゼルスです。 ロサンゼルスのエリック・ガーセッティ市長は、2021‐2022年度会計予算案に、市内の2,000世帯が1年間月額1,000ドルを無条件で受け取る2,400万ドルの保証ベーシックインカムプロジェクトを含めました。 「BIG:LEAP」(ベーシックインカム保証:ロサンゼルス経済支援パイロット)と呼ばれるこのプログラムは、米国で最大規模の保証所得プログラムの1つです。 2021年7月1日から始まる会計年度に提案された市の予算が公表された4月末、この発表が行われ、予算は通常6月初旬までに承認されます。

 計画の詳細は最終化されつつありますが、市長は、プログラムの参加者が好きなようにお金を使うことができるので、支払いは全く無条件であると断言しました。 しかしながら、連邦貧困ライン以下(1人の場合は年収12,880ドル、2人の場合は17,420ドル)であること、ほとんどの場合、18歳以下の子供を支援し、コロナ禍による経済または健康上の困難にさらされていることなどの適格基準があります。 一方、移民であることは選択基準にはなりません。 また、この保証所得は個人ではなく世帯に行くようです。

 承認された場合、BIG:LEAP(ベーシックインカム保証:ロサンゼルス経済支援パイロット)は、国内の都市主導による一連の保証所得プログラムで最新のものになります。 2018年にミシシッピ州のジャクソン市、2019年には「SEED」(ストックトン経済エンパワーメントデモンストレーション)がカリフォルニア州のストックトン市で開始され、この2年間には、オークランド市(カリフォルニア州)、パターソン市(ニュージャージー州)、デンバー市(コロラド州)、シカゴ市(イリノイ州)、ゲイリー(インディアナ州)、および全国多くの都市が、何らかの保証所得プログラムを発表または実施しました。

 そして、これらの取り組みは都市レベルでのみで行われているわけではありません。 南カリフォルニアだけでも、BIG:LEAPまたはコンプトン市で実施されたコンプトン プレッジの呼ばれる所得保証実験に加え、ロサンゼルス郡監督委員会は、対象となる郡住民のための保証所得プログラムを企画するよう行政の関係スタッフに求める2つの別々の動議を可決しました。 これらの最初の企画は、動議から60日以内、つまり7月の第3週までに作成されます(動議1、動議2)。 ロサンゼルス市内には、南ロサンゼルス地区とダウンタウン地区にも特定の保証所得実験が実施されています。

 適格基準は、現金支給額や実験期間と同様に都市ごとに異なりますが、いずれにせよ、進行中のプログラム数の増加は、米国でのベーシックインカムへの関心の高まりを示しています。 コロナ危機は、確かにこの高まる関心の勢いの背後にある要因です。 ガーセッティ市長がロサンゼルスでの実験提案で概説した潜在的な適格基準の一つは、パンデミックに直接関係しています。 サンフランシスコはこの危機に見舞われたアーティストを対象としたプログラムを作成し、他の都市はベーシックインカムへの関心の背後にある要因の1つとして、経済状況に対するコロナ禍の影響に言及しています。

 これらの市主導の取り組みの多くは、元ストックトン市長でありSEEDプログラムの創始者であるマイケルD.タブスによって設立された市長の全国的なネットワークである「保証所得市長会」(MGI)によってサポートされています。 これは、「経済安全保障プロジェクト」(ストックトン実験に関与)やジャイン・ファミリー・インスティテュート(コンプトンまたはニュージャージー州ニューアークで提案されている計画に関与)など、さまざまな財団や非営利団体によってサポートされています。 確かに、これらのさまざまなプログラムは、特定のコミュニティの貧困を緩和する一義的な方法であり、本質的にローカルなものにすぎませんが、連邦レベルでのベーシックインカムに関する議論に資する実験としても見られています。

 2020年8月に実施されたピュー調査では、アメリカ人の54%が連邦のベーシックインカムに反対または強く反対していると結論付けています。* これらのプログラムの支持者は、実施している実験が、無条件の現金給付は貧困を緩和するのに役立つだけでなく心身の幸福を増進し、そして重要なことに、人々が働くためのインセンティブを失わないなど、より強固な証拠に資することを期待しています。 より一般的には、これらのプログラムが貧困と経済不安に関する意味づけの変革に貢献することを望んでいます。

 

* 11,001人の米国成人のオンライン調査は、2020727日から82日までの間に実施されました。その結果は、年齢層、民族、政党、および収入グループによって異なります。

普遍的なベーシックインカムが世界に浸透すべき理由

The original English article is here by World Basic Income.

Translated by Souta Azukizawa

Edited by Yoshihiro Norikane and Toru Yamamori

「ワールドベーシックインカム」の最新の報告によると、世界の不平等や国民所得の制限の結果、世界の半分以上の人々は個人に対するUBIが平均で月にわずか5ドルから18ドルにしか達していない国々で暮らしている。低所得の国々でUBIの支援と誰もがUBIを十分に受け取れるようにするため、団体は30ドルの「ワールドベーシックインカム」まで引き上げることを提案した。

報告では、世界銀行のデータが用いられ、各国で毎年流通している貨幣の量と、そのうちの課税できる額、UBIとして再分配できる額を明らかにした。調査結果によると、各国の政府がそれぞれの地域の平均的な割合で課税し、再分配を行なったとした場合、一ヶ月あたりの一人あたりのUBIは、インドでは最大12ドル、アフガニスタンでは最大3ドル、ブルンジでは最大わずか1ドルになる。仮にこれらの国々が努力してフランス(支出額が最大の国)と同程度の現金給付を行なったとしても、UBIはそれぞれ36ドル、10ドル、5ドルにしかならない。

「ワールドベーシックインカム」のキャンペーンディレクターであるローラ・バニスターはこう主張する。「世界の不平等は極めて不当であり、一般的に考えられているものよりもかなり厳しいです。平均的な低所得国では国民総所得(GNI)は一年で一人当たり811ドルとなっています。ブルンジの場合は270ドルです。これらの国々の政府はUBIを実行することを働きかけないといけない状況にあります。しかし、これらの国々には国民が必要とし、受け取るに値する水準の支払いが可能なほどの資金循環がありません。」

フランク・カマンガ(「マラウイ・ユニバーサルベーシックインカム」所長、ワールドベーシックインカム国際諮問委員会)はこう主張した。「私は世界で不平等、特に南北問題を見たことによって、ベーシックインカムについてのグローバルな運動に参加することにしました。現在の資産状況でマラウイでベーシックインカムを行うことは不可能ですが、開発パートナーの支援を受ければ、私たちもそのような政策をなんとか行うことができます。」

報告では、そのようなサポートのための新たな体制が提案された。それは一人当たり一ヶ月30ドルの世界ベーシックインカムで、国内のUBIへの取り組みを支える。多国籍企業への世界規模での課税を財源とし、団体に登録した世界の人に直接支払われることになる。

「少なくとも世界の半分の人々にとって、すべての大人と子どもへの一ヶ月30ドルの給付は大きな意味を持つでしょう。」とローラ・バニスターは言う。「これらの人々は世界経済からもっと良い扱いを受けるべきです。今日の南北間の極端な不平等は、恥ずべき歴史の結果で、ベーシックインカムが是正すべき問題です。UBIは不平等を是正する素晴らしい可能性を持っていて、国内だけでなく国際間でも、今すぐにでも取り入れるべきです。」 「貧困それ自体は非人道的です。それは尊厳と人々のチャンスを奪ってしまいます。世界規模で貧困をなくす根本的な方法はベーシックインカムを実行することです。」とフランク・カマンガは結論付けた。

ベーシックインカムは循環可能な経済の実現に寄与できるのか?: ベーシックインカム・ネットワークスコットランドでの会議の要約

The original English article here by Serkan Simsir.

Translated by Rintaro Hayashi

Edited by Yoshihiro Norikane and Toru Yamamori

セルカン・シムシル(Serkan Simsir )| 2021/4/27| 特集、ニュース、主張

 循環可能な経済システムの研究が進むにつれ、ベーシックインカムと循環可能な経済の関係も認識され始めた。例えば、2019年7月23日にベーシックインカム・ネットワーク・スコットランドのウェブサイト上にて公開された、『どのようにしてベーシックインカムは循環可能な経済の実現に寄与できるのか?』という題の記事で、両者の関係性は考察された。実際、この記事はベーシックインカム・ネットワーク・スコットランドの編集者であるティモシー・アーモア(Timothea Armor)とゼロ・ウェイストの顧問でありゼロの創立者であるテジャ・ハドソン(Teja Hudson)の対談の記録に基づいている。

 近年の資本主義、自由放任市場、そして飽くなき成長。ハドソンによると、これらは私たちから社会に対する希望を奪う。世界をより善い場所にしようと志す多くの人々がいる。しかし、この失望が彼らをただ生きることのみへと藻搔かせるのだと彼女は指摘する。故に、私たちは、貧困・飢餓・疫病・性差別・迫害・暴力・教育の不足といった解決可能な社会の不平等のために、幾多の優秀で創造的な精神を失ってしまったと彼女は主張する。最後に、私たちは社会の変革を必要としている。そして、これらの人々はその変革を導く、未だ栓切られていない蛇口なのだと彼女は示した。

 ハドソンの主張に付け加えると、人がストレスにさらされたとき、重圧の下に置かれたときまたは何者にも触発されないとき、そして特にお金の心配をしているときに、創造的であることは非常に難しいのだ。この結果として、多くの芸術家や創造的な人々が、生活のために稼ぐことの必要性によって、芸術を熟練させるための活動を邪魔されている。ハドソンはベーシックインカムがこの問題に貢献するだろう可能性を次のような主張でまとめた。「これが、ベーシックインカムが私たちにもたらす未来像です。」ベーシックインカムの実現によって、破滅に陥る代わりに、経験を積んだ創造的な人々や自由な思想家や問題解決者が、この小さな星で暮らす100億の人々が抱える問題を解決するために身構えることができる、と彼女は主張する。

 ハドソンによれば、循環可能な経済とは我々の惑星に存在する資源を見つめ、全てが直線ではなく、円環の枠組みの中にあることを理解する方法である。循環可能な経済の目標は、可能な限りこの円環の中で循環する資源を維持し、未使用の原材料の使用を最小限に留めながら生産過程における効率を最大限にすることなのだと彼女は信じている。

 ベーシックインカムと循環可能な経済の関係に潜む可能性に関して、ハドソンは以下のように指摘する。環境的懸念と社会的懸念は非常に密接に繋がっている。また、ベーシックインカムと循環可能な経済、両者の目標と価値観は同じ、「人類とこの惑星が共に生存し繁栄するために、循環可能な経済を成し遂げるための環境運動を支えるものは、ベーシックインカムを成し遂げるための社会運動の支えともなる。逆もまた同様である。」ハドソンはこの2つのシステムが共に稼働することがより効果的で、資源と享受者を同時にもたらすと主張する。

こちらの記事を参照:

第1年目ストックトン研究発表からの主な調査結果

The original English article here by by Pierre Piquemal

Translated by Yoshihiro Norikane

Edited by Toru Yamamori

2021年4月20日
ピエール・ピクマル氏による

2019年2月、当時のストックトン市長マイケルD・タブス(Michael D. Tubbs)は、米国最初の市長主導の24か月に亘る保証付き所得イニシアチブとして、ストックトン経済エンパワーメントデモンストレーション(「SEED」)を開始しました。 2年後、実験の最初の12か月間(コロナ禍前の2020年2月まで)の予備的結果が発表されました。その主な調査結果は、この保証された所得に肯定的なものであり、保証所得は、収入の変動を軽減し、フルタイムの仕事へのアクセスを可能にし、メンタルヘルスを向上させ、自分の時間と決断をより良く管理できるようにするというものでした。

プログラム設計

SEEDプログラムでは、125人のストックトン居住者が無作為(ランダム)に選ばれ、2年間月額500ドルを受け取りました。給付に条件はなく、資格基準は18歳以上のストックトン居住者で、収入の中央値(ストックトンで46,003ドル)以下であることに限られていました。これらの同じ基準を満たす200人の対照群(コントロールグループ)も研究目的で選ばれました。

この実験は、「経済保障プロジェクト」からの100万ドルの助成金を含む民間の寄付によって賄われています。このプロジェクトは、保証所得と独占禁止措置に特に焦点を当てた「すべてのアメリカ人のために経済を再び機能させる」ことを目的としたイニシアチブです。

このプログラムは、テネシー大学のスタシア・マーチン‐ウエスト(Stacia Martin-West)博士とペンシルベニア大学のアーミー・カストロ・ベーカー(Amy Castro Baker)博士の2人の研究者によって、実験前および実験中に収集されたデータの定量的分析と定性的分析の両方からなる「混合法アプローチ」の下で評価されています。データは、調査と対面またはグループインタビューの両方を通して収集されました(実験への参加は、これらのインタビューへの参加を条件とはしていませんでした)。

この実験は、公的機関やコミュニティメンバーと緊密に協力して、地域の特殊性(たとえば、支払いのタイミングやメカニズム)に合わせて調整し、受給者、対照群の人達、SEEDスタッフ間での信頼を構築するように設計されました。この作業は、所得の無条件で保証された性質(「真実であるには良すぎる」と見なされる)および他の給付資格を失うリスク(経済保障プロジェクトによる特定の作業によってカバーされる)に関する当初の懸念に対処するために必要でした。

主な調査結果

暫定的結果は、受給者が受け取った所得について合理的な決定を下し、主に「必需品」(食料、光熱費、自動車の手入れ)に費やしたことを示しています。研究者たちはまた、受給者がより広いネットワーク内の人々を支援することができるというプラスの波及効果も発見しました。受給者はまた、所得変動に翻弄されることがより少なく、注目すべきことに、以前よりも現金または現金同等物の予期しない出費に敢然と立ち向かうことができると報告されました。

保証所得は、受給者に有意義な活動(社交、子供達との時間を過ごす)に従事するためのより多くの時間を与えました。研究者によると、これはどのようにして「財政的不足が時間的不足を生み出す」かを浮き彫りにしている。参加者にはまた、ベースライン測定と比較してメンタルヘルスの改善が報告されましたが、対照群のメンバーでは改善が経験されませんでした。

最後に、このプログラムはフルタイムの雇用増加にもつながりました。プロジェクトの開始時には、受給者の28%がフルタイムの仕事をしていました。 1年後、その割合は40%に上昇しました(対照群においては、割合は32%から37%にしか変化しませんでした)。いくらかの人々は、保証所得により、学位を取得または修了する時間が与えられた、あるいは単に特定の職に応募する自信が増したと述べました。

反応

これらのプログラムが、仕事へのインセンティブを排除せず、また、「貧困はその人の性格からではなく、現金の不足から生じる」と研究者が述べているように、現金給付が貧困に対処する効果的な方法となる更なる証拠により、研究発表に対する反応は肯定的でありました(しかしながら、研究者とタブス市長は、これらの現金給付はストックトンなどの都市の住民が直面する問題への唯一の解決策ではないことを素早く指摘しています)。

一方、SEEDは小規模で比較的短い実験であると指摘し、研究から早急に結論を出すことを警告している人もいます。この研究のもう1つの制約は、保証所得の出費の追跡が、研究者と協力している受給者に依存していたことです(所得は、研究者が支出記録にアクセスできるプリペイド即時決済カードに転送され直接利用されるか、または、現金として引き出されるか別の口座へ振り込まれるかでした。受給者の約40%に相当する後者の場合に対しては、特定の調査を実施する必要がありました。)最後に、一部の批評家は、実験が民間資金で行われていたという事実を利用して、ベーシックインカムが公的機関にとって費用がかかり過ぎると主張しました。

とにかく、これらの結果は、米国のベーシックインカムについての議論の高まりに確実に追加されます。 他の実験も進行中であり、2020年6月、マイケル・タブスと「経済保障プロジェクト」は、都市での保証所得実験の実施に向けて取り組んでいる全米の約40人の市長のネットワークである「保証所得市長会」を設立しました。

https://www.stocktondemonstration.org/
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「探訪ベーシックインカム(Expedition Basic Income)」がドイツで大規模なUBI実験を行うため草の根キャンペーンに打ち出した

The original English article here by Sarah Delahaye.

Translated by Ryoko Inoue

Edited by Yoshihiro Norikane and Toru Yamamori

普遍的なベーシックインカム(UBI)が私たちの社会をより良い方向へ変化させてくれるのではないかと考える人が、ますます増えている。しかし、どうすればベーシックインカムを導入させることが出来るのだろうか?最近ドイツでは、ベルリンに拠点を置く「探訪ベーシックインカム」という団体が、大規模な全国キャンペーンに乗り出した。というのも、国家によって費用が負担され、研究者たちが評価に参加する、10,000人規模のUBI実験を始めるためである。これまで50,000人を超える人々が、そのキャンペーンのウェブサイトに登録している。

「探訪ベーシックインカム」は、2月の終わりに「Bring Basic Income To The State」というキャンペーンを開始し、「探訪ベーシックインカム」のウェブサイトやメーリングリスト、ドイツのUBIコミュニティに属する諸団体、ソーシャルメディア、新聞などを経由して、全てのドイツ市民に向けてとある質問を拡散した。

あなたの住む市や自治体に、全国的なUBI実験に参加してほしいですか?

全てのドイツ市民は、「探訪ベーシックインカム」のウェブサイトに登録することで上記の質問に回答することが出来る。「探訪ベーシックインカム」は、住民の少なくとも1%が関心を示すところならどこでも、その市や自治体がUBI実験に参加出来るようにするため、住民投票を始めるようにしている。全ての「実験都市」全体が、世界的にも類を見ないベーシックインカムについての実験室であると考えることが出来る。

科学的アプローチによるUBIに関する貴重な洞察

「探訪ベーシックインカム」の計画によると、10,000人のドイツ市民が2023年から3年間、毎月約1200ユーロのベーシックインカムを受け取ることになっている。この実験では、「探訪ベーシックインカム」はドイツ経済研究機関(DIW)やフライブルク大学ベーシックインカム研究機関(FRIBIS)を含む、ドイツの名高い研究パートナーと連携している。というのも、様々な異なる形での無条件ベーシックインカムにおける結果、受入、実現可能性について分析するためである。また、そこではUBIの資金調達に関する実証的事実についての調査も行われる。

その研究から得られる科学的所見と考察によって、普遍的なベーシックインカムが人々や地域社会に与える影響について、将来的にはるかに議論しやすくなるだろう。理想的に言えば、ベーシックインカムの資金調達が出来るかどうかはもはや問題ではなく、導入を前提に、どのようにしてベーシックインカムを可能にするのかが問題となるのだ。

人々の力がキャンペーンの鍵

「探訪ベーシックインカム」は2019年に、UBI支持者であるJoy Ponader氏とLaura Brämswig氏によって創設された。彼らの目標は、ドイツで初の公的融資によるUBI実験を、ベーシックインカムに熱中していたり関心を持っていたりする全ての人々と共に、始めることである。今回の全国キャンペーンが彼らの初めての試みというわけではなく、以前から「探訪ベーシックインカム」は同様の取り組みをドイツの首都であるベルリンを含むいくつかの州で始めており、ベルリンでは2020年の秋に、地域実験に対して30,000人以上の市民の署名が集まった。

ドイツの市や自治体の住民は、キャンペーンの前線でもあり中心でもある。インターネット上の呼びかけに加えて、市や自治体で、自発的に住民投票を計画するような地元のボランティアチームが形成されるようになるだろう。共創的な参加プロセスの中で、ドイツ市民は実験の企画に参加するようにもなるだろう。この実験方法はこれまでにない革新的なものである。というのも、これまでほとんどの実験は政府か民間組織によって始められていたからである。この「探訪ベーシックインカム」のキャンペーンは、住民投票を用いた公的融資による実験を開始した初の事例である。

もしこのキャンペーンに関心があるようなドイツ市民を知っていたら、この記事もしくは下記にある我々のウェブサイトを共有してほしい。
https://expedition-grundeinkommen.de/!

もっと知りたい場合は、こちらのビデオキャンペーンを見てください。
https://youtu.be/Q2L9gYJOQDg 
https://www.youtube.com/watch?v=T3Yi__wWViM

Four Chinese students have been working with BIEN for three months

From the 24th May to the 24th August 2021 four Chinese students undertook internships with BIEN. They attended a five day introductory course about Basic Income and the global Basic Income debate, translated pages and posts on the BIEN website into Chinese, summarised in English relevant documents in Chinese, constructed individual Basic Income schemes for China and worked together to create a joint Basic Income scheme, completed individual projects that connected what they had learnt about Basic Income with the subjects of their degrees, and attended the BIEN congress. it was a pleasure to be able to work with such intelligent and motivated students.

The translations of pages and posts on the BIEN website into Chinese can be found here;

summaries in English of relevant documents in Chinese here;

and the Basic Income scheme for China that the students created together is here.

The students’ final individual projects are listed here:

Our thanks to Amanda, Sherry, Qihao and Joey for working with BIEN; to Dr. Furui Cheng, Tyler Prochazka, Li-Hsin Leen, Dr. Leah Hamilton, and other members of the Executive Committee, for assistance with the introductory course and other aspects of the internship programme; and to the Global Cultural Adventurers organisation for finding such intelligent and committed students for us to work with.