by Toru Yamamori | Oct 3, 2021 | Events, News
The second open forum of the BIEN Working Group on the Clarification of Basic Income’s Definition (CBID)
to be held online on 11th OCTOBER 2021 at 8.00 am – 9.30 am UTC.
Provisional list of speakers are:
Ronale Blashke (video presentation), Ali Multlu Koyluoglu, Pierre Madden, Télémaque Masson-Récipon, Annie Miller, Werner Rätz, Klaus Sambor, Enno Schimidt, Malcolm Torry, Karl Widerquist (video presentation), and Toru Yamamori.
The event is hosted by the BIEN Working Group on the Clarification of Basic Income Definition (CBID), the detail of which can be found here.
It will take the form of a series of very short (5mn) presentations by the above speakers, followed by an open discussion.
Future CBID Open Forums, which are planned to be held regularly (possibly once every two months), will be focused around specific topics related to that of the clarification of Basic Income’s Definition, and take the form of one or two presentations followed by an open discussion.
For the detail of how to join the meeting, and any suggestions of topics to be discussed and offers to present a paper at an Open Forum meeting, please send email to: cbidbien@gmail.com
by Toru Yamamori | Sep 3, 2021 | Japanese
The original English article here by by Pierre Piquemal
Translated by Yoshihiro Norikane
Edited by Toru Yamamori
2021年4月20日
ピエール・ピクマル氏による
2019年2月、当時のストックトン市長マイケルD・タブス(Michael D. Tubbs)は、米国最初の市長主導の24か月に亘る保証付き所得イニシアチブとして、ストックトン経済エンパワーメントデモンストレーション(「SEED」)を開始しました。 2年後、実験の最初の12か月間(コロナ禍前の2020年2月まで)の予備的結果が発表されました。その主な調査結果は、この保証された所得に肯定的なものであり、保証所得は、収入の変動を軽減し、フルタイムの仕事へのアクセスを可能にし、メンタルヘルスを向上させ、自分の時間と決断をより良く管理できるようにするというものでした。
プログラム設計
SEEDプログラムでは、125人のストックトン居住者が無作為(ランダム)に選ばれ、2年間月額500ドルを受け取りました。給付に条件はなく、資格基準は18歳以上のストックトン居住者で、収入の中央値(ストックトンで46,003ドル)以下であることに限られていました。これらの同じ基準を満たす200人の対照群(コントロールグループ)も研究目的で選ばれました。
この実験は、「経済保障プロジェクト」からの100万ドルの助成金を含む民間の寄付によって賄われています。このプロジェクトは、保証所得と独占禁止措置に特に焦点を当てた「すべてのアメリカ人のために経済を再び機能させる」ことを目的としたイニシアチブです。
このプログラムは、テネシー大学のスタシア・マーチン‐ウエスト(Stacia Martin-West)博士とペンシルベニア大学のアーミー・カストロ・ベーカー(Amy Castro Baker)博士の2人の研究者によって、実験前および実験中に収集されたデータの定量的分析と定性的分析の両方からなる「混合法アプローチ」の下で評価されています。データは、調査と対面またはグループインタビューの両方を通して収集されました(実験への参加は、これらのインタビューへの参加を条件とはしていませんでした)。
この実験は、公的機関やコミュニティメンバーと緊密に協力して、地域の特殊性(たとえば、支払いのタイミングやメカニズム)に合わせて調整し、受給者、対照群の人達、SEEDスタッフ間での信頼を構築するように設計されました。この作業は、所得の無条件で保証された性質(「真実であるには良すぎる」と見なされる)および他の給付資格を失うリスク(経済保障プロジェクトによる特定の作業によってカバーされる)に関する当初の懸念に対処するために必要でした。
主な調査結果
暫定的結果は、受給者が受け取った所得について合理的な決定を下し、主に「必需品」(食料、光熱費、自動車の手入れ)に費やしたことを示しています。研究者たちはまた、受給者がより広いネットワーク内の人々を支援することができるというプラスの波及効果も発見しました。受給者はまた、所得変動に翻弄されることがより少なく、注目すべきことに、以前よりも現金または現金同等物の予期しない出費に敢然と立ち向かうことができると報告されました。
保証所得は、受給者に有意義な活動(社交、子供達との時間を過ごす)に従事するためのより多くの時間を与えました。研究者によると、これはどのようにして「財政的不足が時間的不足を生み出す」かを浮き彫りにしている。参加者にはまた、ベースライン測定と比較してメンタルヘルスの改善が報告されましたが、対照群のメンバーでは改善が経験されませんでした。
最後に、このプログラムはフルタイムの雇用増加にもつながりました。プロジェクトの開始時には、受給者の28%がフルタイムの仕事をしていました。 1年後、その割合は40%に上昇しました(対照群においては、割合は32%から37%にしか変化しませんでした)。いくらかの人々は、保証所得により、学位を取得または修了する時間が与えられた、あるいは単に特定の職に応募する自信が増したと述べました。
反応
これらのプログラムが、仕事へのインセンティブを排除せず、また、「貧困はその人の性格からではなく、現金の不足から生じる」と研究者が述べているように、現金給付が貧困に対処する効果的な方法となる更なる証拠により、研究発表に対する反応は肯定的でありました(しかしながら、研究者とタブス市長は、これらの現金給付はストックトンなどの都市の住民が直面する問題への唯一の解決策ではないことを素早く指摘しています)。
一方、SEEDは小規模で比較的短い実験であると指摘し、研究から早急に結論を出すことを警告している人もいます。この研究のもう1つの制約は、保証所得の出費の追跡が、研究者と協力している受給者に依存していたことです(所得は、研究者が支出記録にアクセスできるプリペイド即時決済カードに転送され直接利用されるか、または、現金として引き出されるか別の口座へ振り込まれるかでした。受給者の約40%に相当する後者の場合に対しては、特定の調査を実施する必要がありました。)最後に、一部の批評家は、実験が民間資金で行われていたという事実を利用して、ベーシックインカムが公的機関にとって費用がかかり過ぎると主張しました。
とにかく、これらの結果は、米国のベーシックインカムについての議論の高まりに確実に追加されます。 他の実験も進行中であり、2020年6月、マイケル・タブスと「経済保障プロジェクト」は、都市での保証所得実験の実施に向けて取り組んでいる全米の約40人の市長のネットワークである「保証所得市長会」を設立しました。
https://www.stocktondemonstration.org/
https://static1.squarespace.com/static/6039d612b17d055cac14070f/t/6050294a1212aa40fdaf773a/1615866187890/SEED_Preliminary+Analysis-SEEDs+First+Year_Final+Report_Individual+Pages+.pdf
by Toru Yamamori | Sep 3, 2021 | Japanese
The original English article here by Sarah Delahaye.
Translated by Ryoko Inoue
Edited by Yoshihiro Norikane and Toru Yamamori
普遍的なベーシックインカム(UBI)が私たちの社会をより良い方向へ変化させてくれるのではないかと考える人が、ますます増えている。しかし、どうすればベーシックインカムを導入させることが出来るのだろうか?最近ドイツでは、ベルリンに拠点を置く「探訪ベーシックインカム」という団体が、大規模な全国キャンペーンに乗り出した。というのも、国家によって費用が負担され、研究者たちが評価に参加する、10,000人規模のUBI実験を始めるためである。これまで50,000人を超える人々が、そのキャンペーンのウェブサイトに登録している。
「探訪ベーシックインカム」は、2月の終わりに「Bring Basic Income To The State」というキャンペーンを開始し、「探訪ベーシックインカム」のウェブサイトやメーリングリスト、ドイツのUBIコミュニティに属する諸団体、ソーシャルメディア、新聞などを経由して、全てのドイツ市民に向けてとある質問を拡散した。
あなたの住む市や自治体に、全国的なUBI実験に参加してほしいですか?
全てのドイツ市民は、「探訪ベーシックインカム」のウェブサイトに登録することで上記の質問に回答することが出来る。「探訪ベーシックインカム」は、住民の少なくとも1%が関心を示すところならどこでも、その市や自治体がUBI実験に参加出来るようにするため、住民投票を始めるようにしている。全ての「実験都市」全体が、世界的にも類を見ないベーシックインカムについての実験室であると考えることが出来る。
科学的アプローチによるUBIに関する貴重な洞察
「探訪ベーシックインカム」の計画によると、10,000人のドイツ市民が2023年から3年間、毎月約1200ユーロのベーシックインカムを受け取ることになっている。この実験では、「探訪ベーシックインカム」はドイツ経済研究機関(DIW)やフライブルク大学ベーシックインカム研究機関(FRIBIS)を含む、ドイツの名高い研究パートナーと連携している。というのも、様々な異なる形での無条件ベーシックインカムにおける結果、受入、実現可能性について分析するためである。また、そこではUBIの資金調達に関する実証的事実についての調査も行われる。
その研究から得られる科学的所見と考察によって、普遍的なベーシックインカムが人々や地域社会に与える影響について、将来的にはるかに議論しやすくなるだろう。理想的に言えば、ベーシックインカムの資金調達が出来るかどうかはもはや問題ではなく、導入を前提に、どのようにしてベーシックインカムを可能にするのかが問題となるのだ。
人々の力がキャンペーンの鍵
「探訪ベーシックインカム」は2019年に、UBI支持者であるJoy Ponader氏とLaura Brämswig氏によって創設された。彼らの目標は、ドイツで初の公的融資によるUBI実験を、ベーシックインカムに熱中していたり関心を持っていたりする全ての人々と共に、始めることである。今回の全国キャンペーンが彼らの初めての試みというわけではなく、以前から「探訪ベーシックインカム」は同様の取り組みをドイツの首都であるベルリンを含むいくつかの州で始めており、ベルリンでは2020年の秋に、地域実験に対して30,000人以上の市民の署名が集まった。
ドイツの市や自治体の住民は、キャンペーンの前線でもあり中心でもある。インターネット上の呼びかけに加えて、市や自治体で、自発的に住民投票を計画するような地元のボランティアチームが形成されるようになるだろう。共創的な参加プロセスの中で、ドイツ市民は実験の企画に参加するようにもなるだろう。この実験方法はこれまでにない革新的なものである。というのも、これまでほとんどの実験は政府か民間組織によって始められていたからである。この「探訪ベーシックインカム」のキャンペーンは、住民投票を用いた公的融資による実験を開始した初の事例である。
もしこのキャンペーンに関心があるようなドイツ市民を知っていたら、この記事もしくは下記にある我々のウェブサイトを共有してほしい。
https://expedition-grundeinkommen.de/!
もっと知りたい場合は、こちらのビデオキャンペーンを見てください。
https://youtu.be/Q2L9gYJOQDg
https://www.youtube.com/watch?v=T3Yi__wWViM
by Toru Yamamori | Sep 3, 2021 | News
Gyeonggi Province, Republic of Korea, has been implementing the Youth Basic Income (YBI) programme since April 1, 2019. The English edition of the report on the project was published in July and can be accessed here.
The following is a short introduction by Ikjin Yu, Researcher at Gyeonggi Research Institute, Dept. of Economic & Social Policy.
Gyeonggi Province, Republic of Korea, has been implementing the Youth Basic Income (YBI) programme since April 1, 2019. In December 2020, Gyeonggi Research Institute (GRI), an affiliated organisation of Gyeonggi Province, published a research report (Korean version), focusing on the first year result of the YBI programme. Recently, in July 2021, GRI has published its English version.
This research report mainly consists of quantitative and qualitative analyses.
For quantitative analysis, the experimental group comprised 11,335 recipients who participated in both the ex-ante and ex-post surveys, whereas the comparison group included 800 respondents who resided in regions other than Gyeonggi Province. There were five categories for analysis such as “happiness”, “health and diet”, “perceptions and attitudes”, “economic activity” and “dream-capital”. The results of the Difference-In-Differences (DID) analysis showed that Gyeonggi YBI positively influenced on their happiness, mental health, workout frequency, diet, perception on gender and equal society, dream-capital, economic activity, time use and so forth.
For qualitative analysis, participants of individual interviews and focus group interviews (FGI) were variously grouped by detailed category. It was conducted on 24-year-olds residing in Gyeonggi Province only who received four rounds of Gyeonggi YBI. A total of 42 participated in the individual interviews and the FGIs. The analysis shows many things regarding Gyeonggi 24-year-olds’ perception of Gyeonggi YBI and basic income itself.
The research report concluded that the Gyeonggi YBI has positively influenced on the 24-year- old youths’ life in various aspects based on the recipients’ experience over the past one year.
by Toru Yamamori | Mar 12, 2019
Ana Helena Palermo Kuss and K. J. Bernhard Neumärker
Modelling the Time Allocation Effects of Basic Income
Basic Income Studies, Volume 13, Issue 2.